
乳がん専門病院 新百合ヶ丘に
診療・検診に特化
聖マリアンナ医科大学は2009年2月にも川崎市麻生区に乳がん診療・検診に特化した専門病院を開設する。乳がんは患者数、死亡者数ともに
年々増加しており、総合病院から独立した診療体制整備の必要性が高まっている。最新鋭の画像診断センターを併設し、地域の小規模病院と連携した
検診網も築く。
小田急・新百合ヶ丘駅北口近くの区画整理事業地区で、地権者が建設する五階建てビルの三、四階(広さ約2,600平方メートル)に入居する。
内装や医療機器購入などの事業費は10億円以上を見込む。
入院ベッドは置かず、患者には日帰り手術と科学療法を施す。入院が必要な患者は近くの同医科大病院などで受け入れる。当初は診察・検診で
1日100人以上の来院、年100件以上の手術件数を見込む。
現在、同医科大病院による乳がん手術数は年400件にものぼり、全国でもトップクラス。ただ、患者が診察や検査の順番を待つ期間が長期化している。
受け入れ能力が限界に達しており、欧米で一般的な患者の心のケアや栄養管理まで手を広げられるよう独立型の専門病院の開設を決めた。
開設準備委員長を務める福田護乳腺・内分泌外科部長によると、国内の乳がん罹患(りかん)者数は年間約4万8千人。死亡者数も1万人を突破し、
一貫して増加している。死亡者数増加の背景には米英に比べ4分の1以下という検診受診率の低さがある。
がんの早期発見のため画像診断センターには高精細乳房磁気共鳴画像装置(MRI)などの最新機器を導入。周辺の小規模病院と連携し、検診を
受け入れるほか、検診受診を呼び掛ける啓発活動にも力を入れる。
院内の内装は女性向けに暖かみのある配色とし部材も選別する。好みの音楽や映像を聞いたり見たりしながら、精密検査や抗がん剤治療を受けられる。
抗がん剤の投与など長時間かかる治療の際には家族も同席できるようにして、患者が最大限リラックスできる環境を整える。
病院とは別に、ビル1階には非営利組織(NPO)が運営。啓発活動、セミナー開催、患者同士の交流などの拠点となる施設が入る予定だ。
福田部長は「女性に優しい医療、アジアの乳がん医療のスタンダードを示したい」と話している。